鳳来寺山に住む鳥との関わりが深い「鳳来寺」と「鳳来山東照宮」

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原生林の隙間から様々な表情を見せる岩肌。

愛知県新城市に位置する標高695メートルの鳳来寺山(ほうらいじさん)は1931年に国の「名勝天然記念物」に指定されており、新日本百名山の一つにも数えられています。

↑鳳来寺山

この自然が造り出した美しい景観の中に人が造り出した美術品とも言える建物が紛れ込んでいます。

鳳来山東照宮(ほうらいさんとうしょうぐう)です。

↑鳳来山東照宮

日光東照宮、久能山東照宮と並んで三大東照宮の1として数えられる事のあるこの神社の祭神は徳川家康です。

日光東照宮に参拝した江戸幕府3代目将軍・徳川光家光(いえみつ)が「東照社縁起(とうしょうしゃえんぎ)」に記されている家康の出生にまつわる話を知り、鳳来寺山に東照宮を建てる事を決めたそうです。

その話と言うは「子どもの無いことを憂いていた家康の父親である松平広忠(まつだいらひろただ)と生母である於代の方(おだいのかた)が鳳来寺を訪れ、祈願をしたところ、家康が生まれた」と言うものです。

この話に出てくる鳳来寺と言うのは、鳳来山東照宮に隣接するお寺の事を指します。↑鳳来寺

鳳来寺には家康にまつわる別の伝説が残されています。

家康の出生は壬の日のの刻(1542年12月26日午前5時頃)頃であったとされていますが、家康の誕生と同日同時刻に鳳来寺の本尊である薬師如来を守護する十二神将の中の1つ、真達羅大将(しんだらたいしょう)の像が忽然と姿を消し、家康がこの世を去ると元の位置に戻っていたと言うものです。

十二神将には、それぞれに干支の十二支が割り当てられています。真達羅大将は神に当ります。

この伝説により家康は真達羅大将の化身であったと伝えられています。

このような伝説を残す鳳来寺とはどのようなお寺なのでしょうか?↑鳳来寺

寺伝では702年に利修仙人(りしゅうせんにん)が開山したと伝えています。

鳳来寺山で修行をしていた利修仙人が文武天皇(もんむてんのう)の病気の祈願を命じられた際に鳳来寺山で一緒に遊んでいた鳳凰に乗って現れたそうです。

これが鳳来寺の名前の由来です。↑ 利修仙人と鳳凰のモニュメント

ちなみに、鳳凰ですが鳳が「雄」で凰が「雌」を指すと言うはご存知ですか?

鳳凰は雌雄一対で飛ぶ事から鳳凰は繁栄・調和の象徴とされています。また、鳳凰が現れた後は天下泰平の世が訪れ、鳳凰の降り立つ地には徳の高い人が生まれると言い伝えがあります。

鳳凰が名前の由来の鳳来寺の真達羅大将の化身が家康と言うのも納得感がありますね。↑鳳来寺、鳳来東照宮へ続く表参道↑鳳来寺_仁王門

鳥の話がでたので、ここでもう一つ鳥の話をすると鳳来寺はコノハズクの寺としても有名です。↑コノハズクのモニュメント

なぜ、コノハズクなのでしょうか?

コノハズクは愛知県の県鳥であり、鳳来寺山にはコノハズクが棲息しています。更にコノハズクの鳴き声は「ブッ・ポウ・ソウ」つまり仏教の三宝である「 仏・法・僧」と聞こえる事から鳳来寺はコノハズクの寺と言うわけです。

↑鳳来寺_鐘楼

ところで「ブッポウソウ」と言う名の鳥がいます。

かつてはこの鳥が「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴いていると信じられていました。しかし、実際のブッポウソウは「ゲッゲッゲッ」と言う鳴き声を発します。

この事から「ブッ・ポウ・ソウ」の鳴き声の正体は長く謎とされていました。

この謎が解明されるきっかけとなったのが1935年(昭和10年)6月7日に日本放送協会名古屋中央放送局(現在のNHK名古屋放送局)が鳳来寺山から実況中継した「ブッ・ポウ・ソウ」の鳴き声の全国放送です。

この放送を聞いた人が、同年の6月12日に山梨県神座山で、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴く鳥を撃ち落としたところ、声の主がコノハズクであることが分かったと言う事です。

見た目はブッポウソウ の方が鮮やかな色をして綺麗です(コノハズクも可愛らしいですけどね 笑)。しかし、声はコノハズクの方が綺麗な声をしています。

あの声で蜥蜴食らうか時鳥(あのこえでとかげくらうかほととぎす)」

人やものは見かけによらないもの。外見と中身が異なり驚かされることを例えたことわざです。

何事も外見だけで判断しないように心がけましょう

コノハズクはフクロウの一種です。フクロウは福来郎=福が来る、不苦労=苦労しないなどの字があてられ縁起物の良い鳥として扱われます。

鳳凰と言い、コノハズク(コノハズク)と言い、鳳来寺山は大変縁起の良い場所です。

鳳来寺山に行ったら鳳来寺と鳳来山東照宮で参拝して運気を上げましょう!

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