秋田犬を起点につながる大館の有名な特産物

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秋田犬_美門ちゃん

Zzz….. Zzz…..

秋田犬(あきたいぬ)の寝姿です。

可愛いですね〜(о´∀`о)

秋田犬は大館市(おおだてし)を代表する特産物(物として良いかどうかは分かりませんが)です。かつて大館犬と呼ばれた時期もあったそうです。

江戸時代、徳川幕府の基盤が確立されて来ると諸藩での築城禁止など武力に対する抑制が厳しくなります。

それは大館地方を治めていた久保田藩(秋田藩)佐竹氏に対しても例外ではありませんでした。

そこで佐竹氏は藩士の闘志を養う策として闘犬を奨励します。

闘犬には体が大きく強い犬が望まれました。

それに対応する為に秋田県北部に起源があるとされ平安時代から伝わる伝統的なマタギ猟に使われた犬(マタギ犬)と土着犬などとの交配が行われ、それが秋田犬の原種になって行ったそうです。

明治に入っても闘犬は盛んに行われ外来犬などとの交配が進み雑種化が危惧されるようになりました。

大正に入ると天然記念物指定への機運が高まり紆余曲折したものの1931年(昭和6年)、遂に国の天然記念物として指定されました。

大館市には秋田犬の保存を目的に1927年(昭和2年)、当時の大館町長らによって「秋田犬保存協会」が設立され、1977年(昭和52年)には秋田犬保存会創立50年を記念して日本の犬種団体では唯一の博物館を併設する「秋田犬会館」が建設されています。

01 秋田犬会館

3階の秋田犬博物室では写真やパネルなどを使って秋田犬が紹介されていますので犬好きの方はこの地方に訪問した際は寄ってみて下さい。冒頭の写真は秋田犬会館で飼われている美門(みかど)ちゃんです(2017年5月2日現在)。

02 秋田犬会館_秋田犬博物室

03 秋田犬会館_秋田犬博物室

↑秋田犬博物室内

大館市には秋田犬の他にも全国的に有名な特産物が揃っており、相互に関連し合っています。

大館はかつて律令制に基づく比内郡(ひないぐん)の一部であり文献の中に初めて登場するのが平安時代に編纂された50巻からなる歴史書「日本三代実録(にほんさんだいじつろく)」の元慶の乱の「火内(=比内)村」と言う記述だそうです。

比内と聞いてピンと来た人もいるのではないでしょうか。

そうです。比内は「薩摩地鶏」「名古屋コーチン」と並び日本三大地鶏の一つに数えられる「比内地鶏」の比内です。

比内地鶏は比内鶏の雄とロードアイランドレッドの雌とを交配した一代雑種が食用としてブランド化されたものです。

比内地鶏を使った料理は美味しいですよ〜

04 比内地鶏親子丼

↑比内地鶏親子丼

ところでなぜ比内鶏を食用としてブランド化しなかったのでしょうか?

比内鶏は1942年(昭和17年)に国の天然記念物に指定されている為、市場には出回っていません。そこで食用として誕生したのが比内地鶏と言うわけです。

秋田犬も天然記念物に指定されているから比内鶏とは天然記念物つながりと言う事になりますね。

話は変わりますが秋田の郷土料理として特に有名なものの一つに「きりたんぽ」がありますね。その語源は稽古用の槍につける綿を丸めて布で包んだものを「たんぽ」と呼び、それに似ているところからついたそうです。

05 インスタントきりたんぽ

↑秋田にはインスタントきりたんぽがあります。さすがきりたんぽの本場秋田ですね!

そのきりたんぽに欠かせない具材の一つが比内地鶏です。

本来、家庭料理であるきりたんぽに入れる鶏肉の種類に決まりはなかったそうですが比内地鶏の産地である大館市の企業がきりたんぽとセットで売り出したところヒットしてこれが定着したとのことです。

これにより大館はきりたんぽの本場と位置付けられました。その土地の特産品を併せる事によりブランド力を高めたわけですね。

ちなみにきりたんぽ発祥の地は大館市に隣接する鹿角市(かづのし)とされています。

きりたんぽの起源については諸説あるようですがその一つがマタギ(猟師)が食べ残したご飯を潰して棒につけて焼き、山鳥や山菜、キノコなどと一緒に煮たりあるいは味噌をつけて食べたりしたのが始まりと言う説です。

06 味噌たんぽ

↑味噌たんぽ

マタギの話が出たのでこの地方に伝わるマタギと犬の悲しい話があるので紹介しましょう。

先祖の功により領主から他の領内でも自由に狩猟が出来る天下御免のマタギ免状を持っているマタギの定六(さだろく)はいつものように飼い犬のシロと一緒に猟へ出かけました。

カモシカを追いかけ他の領主の土地へと入った定六はお城の方へ向かうカモシカに発砲しました。

その音を聞いた兵が定六のところへ駆けつけ他の領内で猟をしていることを咎めます。

マタギ免状を持っている定六ですがその日に限って免状を家に置き忘れていました。

定六は牢屋へ入れられてしまいます。

頼りになるのはシロしかいません。定六はシロに家へ戻って免状を取って来るように何とか伝えました。

家に着いたシロは定六の妻に何度も吠えマタギ免状を得ます。

シロは急いで定六の元へと向かいましたがシロが着いた時には定六は処刑された後でした。

主人の死を知ったシロは何日も悲愴に吠え続けましたが定六はシロの元に現れることはありませんでした。

悲しい話ですね。

07 秋田犬会館_秋田犬博物室

↑マタギの道具(秋田犬会館秋田犬博物室内)

さて、既にお気づきだと思いますがこの話に出て来る主人に忠実だったシロは秋田犬です!

主人に忠実な秋田犬といえばもう一匹有名な秋田犬がいますよね。

そうです。忠犬ハチ公です!

そして忠犬ハチ公の出身地は大館です!

08 忠犬ハチ公の写真

↑忠犬ハチ公の写真(秋田犬会館秋田犬博物室内)

渋谷駅前の忠犬ハチ公の像は有名ですが大館駅前でも忠犬ハチ公が皆さんを迎えてくれます。

09 大館駅の忠犬ハチ公の像

↑大館駅前の忠犬ハチ公の像

さあこれで秋田犬の話から初めて→比内地鶏→きりたんぽ→そして秋田犬の話に戻って来ましたね。

つながりが無いと思っている事も実は知らないところでつながっている事もあります。人と人とのつながりも同じことが言えるかもしれません。色々なつながりを大切にしたいものですね。

大館に足を運んだ際は互いにつながりのある大館の特産物を見て食べて旅を充実させましょう!

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