固有の進化を遂げた蒲郡市の竹島

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例え小さくても固有の進化は身を守る

竹島水族館(愛知県蒲郡市)は日本で5番目に小さい水族館(2021年3月現在)ですが近年脚光を浴びています。 ↑竹島水族館

2005年度には入館者数約12万人まで落ち込み閉館も検討されたそうですが2019年度は史上最高の45万人を達成しています。

なぜこんな結果を出す事が出来たのでしょうか。

生き物の習性を生かした展示。スタッフ手製の解説版。このような工夫が身を結びメディア取材の殺到するほどの人気をもたらしたのです。 ↑竹島水族館(解説版) ↑竹島水族館(うつぼの水槽)

例え地方の小さな水族館でもこのような固有の進化を遂げた事が閉館の危機から身を救ったと言う事ですね。

旭山動物園(北海道旭川市)の水族館版と言ったところでしょうか。

そんな竹島水族館はオオグソクムシの卵を孵化させることに日本で初めて成功させると言う素晴らしい結果も残しています。↑オオグソクムシ

現在、地球上で最古の上陸動物は「アパンクラ」というオオグソクムシのような形をした節足動物だそうです。

アパンクラはオオグソクムシのような形をしています。オオグソクムシも節足動物です。ですからオオグソクムシの研究が進めば生物が陸上進出した進化の過程を知るきっかけになるかもしれません。

竹島水族館は進化がキーワードと言えるでしょう。

さて、小さいながらも蒲郡のシンボルとなった竹島水族館ですが、その竹島水族館の目と鼻の先に小さな島があります。

竹島です!

もちろん竹島水族館の名前の由来となっている島です。↑竹島

そして、その竹島が正面に見える位置に竹島を優しく見つめる銅像が立っています。誰の銅像なのでしょうか?

藤原俊成(ふじわらのとしなり)です。↑藤原俊成の銅像

俊成は平安時代後期から鎌倉時代初期に歌人として活躍した公家出身の人物です。32歳から36歳までの4年間を竹島のある蒲郡の地で三河国司として務め、荒地だったこの地に竹谷荘、蒲形壮の2つの荘園を開発しました。

俊成は言わば蒲郡の発展の基礎を築いた「蒲郡開発の祖」なのです。

でなぜ俊成の銅像は竹島の方を見ているのでしょうか。

それは、竹島に祀られている八百富神社(やおとみじんじゃ)(竹島弁天)に起因しています。

竹島弁天は日本七弁天の一つとされ、俊成が竹生島(ちくぶじま:滋賀県)より勧請(かんじょう:神仏の分身・分霊を他の地に移して祭ること)したとされており、竹島はその全域が八百富神社(竹島弁天)の境内となっているからです。

蒲郡開発の祖と言われている俊成が創設した八百富神社(竹島弁天)が祀られている竹島は蒲郡の守り神と言えますね。

それでは竹島を一周してみましょう!↑竹島橋(全長387m)。1932年(昭和7年)に初めて架けられた。現在の橋は2代目で1986年(昭和61年)に架けられたもの。↑島の手前にある八百富神社の鳥居↑八百富神社、竹島弁天の石碑↑参道↑宇賀神社↑八百富神社。全国的にも珍しい大大吉のおみくじがあります!↑八大龍神社↑島の裏側へ続く遊歩道↑龍神岬

↑龍神岬からの景色↑竹島橋へ続く遊歩道↑竹島橋へ続く遊歩道↑竹島橋(竹島から本土側を見た景色)

ところで竹島は対岸から僅か400mしか離れておらず周囲約600m、標高22mの小さな島ですがなんと本土とは異なる独自の植物体系を持っている事から国の天然記念物に指定されています。↑竹島の植物

ダーウィンが進化論を思いつくきっかけを与えたガラパゴス諸島には独自の進化を遂げてきた動物たちが今も多く生息しています。

竹島は小さなガラパゴス諸島と言ったところでしょう(^^)

島全域が神社の境内であり、更に天然記念物の指定により島全体が保護されているわけです。

竹島水族館と同様、例え小さくても固有の進化によって身を守っていると言えますね。

ところで、竹島周辺には竹島水族館以外にも素晴らしい文化遺産が残されています。

竹島橋のたもとには大正・昭和初期に活躍した菊池寛、志賀直哉、谷崎潤一郎、山本有三、川端康成、井上靖、三島由紀夫らが宿泊した料理旅館「常磐館」の跡地にその趣を再現した「海辺の文学記念館」があります。↑海辺の文学記念館

また、竹島を見下ろす小高い丘の上には蒲郡クラシックホテル(1934年に建てられた時の名称は「蒲郡ホテル」)があります。↑蒲郡クラシックホテル

城郭風建築の優美なこのホテルは近代化産業遺産に認定されており日本クラシックホテルの会に加盟する九つのクラシックホテルの内の一つにもなっています。また、数々のドラマや映画のロケ地としても使用されています。

これらの建築物も固有の進化をしていると言えますね。

島全体がパワースポットの竹島が引き寄せたのではないでしょうか。

皆さんも竹島に訪れる機会があったら固有の進化を遂げて下さい!

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