日本の民謡。それは古代から歌い継がれて来た伝統的な邦楽。
日本には古くから言葉に宿ると信じられた霊的な力、いわゆる言霊(ことだま)信仰が存在しています。
声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じた日本人は歌詞に願い事を組み込み歌唱するようになりました。
このようにして出来た歌が日本各地で農作業や漁に出た時、あるいは祭事などで歌われるようになり、それが何代にもわたって歌い継がれ現代に至っています。
民謡の起源は特定されていないようですが、簡単にまとめるとだいたい以上のようになります。
ところで「民謡」という呼び名は明治時代半ば、民俗学など学問的な必要からドイツ語のVolksliedもしくは英語のfolk songの訳語として創出されたものだそうです。
つまり民謡と言う単語だけで言えばその始まりは明治時代と言う事になってしまいます。あまり古くないですね(^^)
さて日本各地で伝承されている民謡ですが最高峰の難曲とされているのが富山市八尾(やつお)地区で歌い継がれて来た「越中おわら節(えっちゅうおわらぶし)」だそうです。
毎年9月に八尾町で開催される「おわら風の盆」では、越中おわら節の旋律にのせて無言の踊り手たちの洗練された踊りが披露され観光客でたいへんな賑わいを見せるそうです。
日本最高峰の難曲とされる越中おわら節に合せて踊るなんて八尾町の人達は日本で一番リズム感が良いと言う事ですよね(^^)
ところで、八尾の町にはもう一つ大きなイベントがあります。それが毎年5月に催される越中八尾曳山祭(えっちゅうやつおひきやままつり)です。
絢爛豪華な六本の曳山(山車(だし))が町なかを巡行し、夜になると数千の灯がともる提灯山車に変身!夜景に浮き上がるその光景はあたかも不夜城のごとく優美なものだそうです。
さて、越中おわら節が響き渡り豪華な山車が引き廻される八尾の町はこの2つのイベントに相応しい景観を持ち合わせています。
なだらかな坂道には石畳が敷かれ、その道沿いには格子戸の民家が軒を連ね江戸時代の佇まいを色濃く残しています。
おわら風の盆、越中八尾曳山祭りを見られない方はそんな風情溢れる町を散策しながらその情景を想像してみては如何でしょうか?
想像する事により脳が情報を拾い集め想像を現実に引き寄せると言う事です。
八尾の町中にある越中八尾観光会館ではおわら風の盆、越中八尾曳山祭りの一部を垣間見る事が出来ます。想像を膨らませた後に立ち寄ってみてはそうでしょうか?
より、リアリティが増すかもしれませんよ(^^)
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