現代社会はカタカナで表現される単語が氾濫しています。
それが何なのかサッパリわからないと言った事に直面する事は多くないでしょうか?
では漢字で表現されていると分かるのか?と言えば分からない事も多々あります。
でも漢字の場合何となく理解出来る事もありますよね。
では試しに
「今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)」「宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)」「古今著聞集(ここんちょもんじゅう)」
はどうでしょうか?
多分お分かりですよね。これらは簡単に言うと日本昔話です。
上記の3つの文献は「日本三大説話集」と呼ばれることもあり今昔物語集には「竹取物語」が、宇治拾遺物語には「わらしべ長者」や「こぶとりじいさん」など馴染みのある物語が収められています。
それでは古今著聞集には何が収められているのでしょうか?
今回の旅先は古今著聞集に収められている場所を取り上げました。
本題に入る前にまずは古今著聞集について簡単に説明しておきますね。
古今著聞集は鎌倉時代に当たる13世紀前半の人物、橘成季(たちばなのなりすえ・生没年不詳)が編纂した全二十巻・七百の余話で構成される説話集です。
Wikipedia(ウィキペディア)を見ると
「事実に基づいた古今の説話を集成することで、懐古的な思想を今に伝えようとするものである」「実録を補う事が意図であることを述べ・・・・・」
などと書かれています。
もし実話なら今から書こうとしている場所へは是非とも行ってみたいと思う人は沢山いますよね(^^)
その場所とは「日本の滝百選」にも選ばれている「養老の滝」です!
↑養老の滝
お酒になった滝の水を持ち帰って病気の父親に飲ませたところ元気になったと言う親孝行で有名な昔話ですね。
古今著聞集に収められている説話は養老の滝へ向かう途中にある養老神社境内の菊水泉(きくすいせん)に伝わる「養老孝子伝説(ようろうこうしでんせつ)」が基になっています。
↑養老神社
↑菊水泉
菊水泉の伝説はお酒になった水の話を聞いた元正天皇(げんしょうてんのう)がこの地を行幸し「醴泉は、美泉なり。もって老を養うべし。蓋し水の精なればなり。天下に大赦して、霊亀三年を改め養老元年と成すべし」との詔(みことのり)を出し元号を「養老」に改元したとして「続日本紀(しょくにほんぎ)」に記されているそうです。
さて、養老孝子伝説は実話なのでしょうか?
親孝行をした息子は源丞内(げんじょうない)と言う名の樵(きこり)です。実在の人物かどうかは不明との事ですが養老の滝へ向かう道の途中に彼のお墓があります。
実話かも知れませんね~
↑源丞内の像
↑源丞内のお墓
また、「養老の滝・菊水泉」はカルシウム、マグネシウム、カリウムといったミネラル成分が豊富な水で「名水百選」に選ばれています。
少なくとも水を飲んで病気が回復したと言うのは実話かもしれませんね。
ところで説話の中では瓢箪にお酒を入れて持ち帰った事になっています。
瓢箪は末広がりの形状をしている事から古来より縁起物としてお守りや魔除けとして用いられて来ました。
養老の滝は岐阜県養老郡養老町にあります。そして瓢箪は養老町のお土産品の一つにもなっています。もちろん地酒もあります。お酒の飲めない方はサイダーもあります。
↑瓢箪
↑養老神社の手水舎(ちょうずや・ちょうずしゃ・てみずや・てみずしゃ)
↑地酒とサイダー
「孝行したい時に親は無し」
養老の滝へ訪れた際はお酒と瓢箪を買って親孝行も兼ねたお土産にしてみては如何でしょうか!