厳重な扉を開けると、、、、、
そこはマイナス10℃に保たれた極寒の部屋!そして「かまくらが」目の前に!
部屋に入る前に「どんぶぐ」を着る事をお勧めします(^^)
夏の暑い時期にここへ行けば一瞬にして暑さを解消出来るでしょう。
横手市(秋田県)の「かまくら館」です!
↑かまくら館
かまくら館では年間を通して本物のかまくらを体験できると共にかまくらの造り方など、かまくらについて学ぶことが出来ます。
ところで、「かまくらの意味は?」と聞かれたら何と答えますか?
おそらく「雪を固めてくり抜いた家」と言ったような答え方をするのではないでしょうか?
ところが「かまくら」の意味をインターネットで検索すると、付け加えで「もしくはその際に作られる雪室」のように解説されていて、そのほとんどは最初に「秋田県各地で小正月に行なわれてきた子供の行事の一つ」と言った解説がなされています。
つまり、「かまくら」とは「初詣」とか「豆まき」あるいは「ひな祭り」と同じで行事を表現する単語と言う事になります。
ご存知でしたか?
当たり前と思って理解しているつもりの事でもしっかり調べてみないと分からないものですね。
では「かまくら」は具体的にどのような行事なのかと言いますと「雪室内に祭壇を設けて自然の恵みである水を運んでくれる水神様を祀り、中で子どもたちが餅を焼いて食べたり甘酒を飲んで過ごしたりする生活に密着した神様を祀る行事」と言う事です。
↑かまくら内に祀られる水神様(かまくら館)
かまくら館のある横手市は毎年の行事として「かまくら行事」が450年近く続いている町です。
↑横手城をバックにしたかまくら行事のポスター
お城と「かまくら」のコラボは何とも風情がありますね。
また、横手市の隣町・仙北郡美郷町六郷地区に伝わる重要無形民俗文化財の「六郷のカマクラ行事」は約700年の歴史があり、かまくら行事本来の形を保っているそうです。
その行事の流れを簡単に表すと以下の通りとなります。
◆蔵開き:
元旦から2月11日までは蔵の米出しを止め蔵の前に据え膳をしてお灯明をともし、この日から蔵出しを始める。
◆天筆:
同じく2月11日に子供達が天筆を書く。天筆とは吉書(年始・改元・代始・政始など物事の始めを祝う儀礼において用いられる文書)、書初めの事。
◆鳥追い行事:
2月13日頃から40cmくらいの厚さに雪を四角に積み上げ、天井に茅を編んで作ったむしろを載せて「鳥追い小屋」と呼ばれる雪室を作り、中に「鎌倉大明神」を祀る。子ども達は互いにこの鳥追い小屋を訪問し合い、鳥追いの歌を歌ったりして過ごす。
◆天筆焼き(ドンドン焼き)・竹打ち
2月15日に行われる「六郷のカマクラ行事」のクライマックス。正月の注連飾り、神符や門松とともに天筆が焼かれる中、南軍と北軍に別れた若い衆が約5mほどの竹を持ち上下に振り下ろし叩き合う。北軍が勝てば豊作、南軍が勝てば米の値が上がると言い伝えられている。
雪室としての「かまくら」のほのぼのとしたイメージとはかけ離れた激しい行事ですね(^^;
しかし、この「六郷のカマクラ行事」こそが、かまくら行事の起源かもしれません。
と言うのも京都御所で正月に行われていた火祭りの行事・左義長(さぎちょう)の吉書焼の風習を鎌倉時代初期に六郷の地頭となった二階堂氏が六郷にもたらし、かまくら行事として引き継がれて来たと言われているからです。
さて、このような起源を持つかまくら文化ですが日本以外に存在するのでしょうか?
と言うことで調べてみたら見つかりました!
カナダ北部などの氷雪地帯に住む先住民族イヌイット (Inuit)の造る「イグルー(Igloo)」です。
↑イグルー(出典:ウィキペディア)
「かまくら」を英訳すると「Japanese Igloo」とする場合もあるようです。
更に、イヌイットは日本人と同じモンゴロイドなので日本人にそっくりです。
↑イヌイット(出典:ウィキペディア)
しかもグリーンランドの永久凍土から発見された4000年前の男性の毛髪をもとにゲノム解析を行ったところイヌイットのルーツは「弥生人」のルーツともされるシベリア東部に起源を持つ「新モンゴロイド」と言う事が分かって来たそうです。
「かまくら」を造る気質は同じ血から来ているのかもしれませんね(^^)
横手市のかまくら館でかまくら文化を与えてくれた(かもしれない)イヌイットと日本人のご先祖様に感謝しながらかまくら体験を楽しみましょう!
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