宇治上神社で神社建築における本殿の由来を探ってみましょう

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日本書紀は「応神天皇の崩御後、末子の菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)が異母兄の大鷦鷯尊(おほさざきのみこと:後の仁徳天皇)と互いに皇位を譲り合ったが兄に皇位を譲るべく自殺した」という美談を今に伝えています。

宇治川を挟んで10円玉でおなじみの平等院の対岸に位置する大吉山(仏徳山)の裾野で静かに平等院を見守る神社があります。

宇治上神社です。

01 宇治川にかかる朝霧橋と宇治上神社の鎮座する大吉山(仏徳山)↑宇治川にかかる朝霧橋と宇治上神社の鎮座する大吉山(仏徳山)

02 宇治上神社の鳥居↑宇治上神社の鳥居

この神社は平等院の鎮守社として長く人々から崇拝されて来ました。

そしてここに祭神として祀られているのが菟道稚郎子、仁徳天皇、応神天皇の三柱です。

ちなみに宇治上神社の手前にある宇治神社の祭神も菟道稚郎子であり、明治以前は宇治上神社と宇治神社の両社を合わせて宇治離宮明神と呼ばれていました。

かつてここに菟道稚郎子の住居があった事から離宮と名付けられたそうです。

03 宇治神社↑宇治神社

美談を残した菟道稚郎子が祀られる宇治上神社は背後の木々の景観も含め境内地・建物全てが世界遺産として登録されています。

また、本殿と拝殿は国宝にも指定されています。

更に、2004年2月の奈良文化財研究所や宇治市などによる年輪年代測定法の調査によりこれら二つの建立時期は本殿が1060年、拝殿は1215年と算出され、特に本殿に関しては「現存最古の神社建築」であることが裏付けられました。

04 宇治上神社_拝殿↑宇治上神社_拝殿

05 宇治上神社_本殿↑宇治上神社_本殿

では、神社建築における本殿とはどのような起源を持つのでしょうか?

そのヒントは神社の「社」に隠されています。

神様が祀られている建物、つまり本殿の事を「お社」と呼びます。

この社(ヤシロ)はもともと「屋代(ヤシロ)」から来ており、屋は「建物」。代は「あることのために要する部分」を意味しています。

屋代の「代」の場合、神霊が依り憑く(よりつく)部分(対象物)を示し、神の憑いた物、あるいは神体・神域などは「依り代(よりしろ)」と呼ばれています。

日本の神道は、森羅万象あらゆる物に神・精霊や魂が宿ると言う自然崇拝が起源となっています。

つまり依り代となった岩や木は神の仮の屋であり、それが屋代となり、仮住まいに過ぎなかった屋代がやがて御神体を常祭する「社」、すなわち神社へと変化し、神社において最も重要な御神体の鎮座する建物が「本殿」になったと言うわけです。

神社はパワースポットとされる事が多いですね。

宇治上神社もパワースポットとされています。

06 宇治上神社_桐原水↑宇治上神社_桐原水(「宇治七名水」の中で現存する唯一の湧き水)

07 宇治上神社_拝殿と清めの砂↑宇治上神社_拝殿と清めの砂

聞きなれない言葉かもしれませんがパワースポットの事を「イヤシロチ」とも言います。

イヤシロチとはどのような意味を持つのでしょうか?

公的な歴史として扱われていない為、広くは知られていませんがカタカムナ文献と呼ばれる文献があります。

イヤシロチと言う言葉はこのカタカムナ文献が出所となっています。

詳細は割愛させて頂きますがカタカムナとは上古代の約1万2000年以上も前に、日本で栄えた高度な超古代文明の名であるとされています。このような事から公的な学術学会からは偽書とされていますが、ここではその真偽は追求せず、一つの話題として取り上げさせて頂きました。

カタカムナ文献からイヤシロチの意味を解読すると次に通りになるようです。

イ 五つの要素(生気)がそろっている状態(電気・磁気・力・時間・空間)

ヤ 安定充実している状態

シ 示されている

ロ 一定の囲まれた敷地、空間

チ 持続している状態

如何でしょうか?

イヤシロチのヤシロの意味は神社建築の本殿の語源につながるヤシロと何となく同じような意味を持っているような感じがしませんか?

言葉の意味に焦点を当てると色々なものが見えて来て面白いものですね(^^)

宇治上神社にはうさぎをモチーフにした可愛らしいおみくじが売られるなど、うさぎが宇治上神社のシンボル的存在になっていますがこれも語源に関係があります。

08 うさびのおみくじ↑うさぎのおみくじ

宇治上神社の「宇治」の語源は諸説あるようですが、その一説が祭神の菟道稚郎子の「菟道(うじ)」から来ていると言うものです。菟道は「うさぎのみち」と書いて「うじ」と呼びます。このことから宇治上神社はうさぎがシンボルとなったと言うわけです。

宇治の語源の一説を持つ菟道稚郎子が祀られる現存最古の神社建築の本殿(ヤシロ)が強力なパワースポット(イヤシロチ)を創り出しているかもしれませんね。

宇治上神社に参拝して癒し(イヤシ)をもらいましょう!

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