歴史情緒あふれる小樽の街を守り続けた一匹の犬

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消防件ぶん公

古くから港湾都市として発展した北海道小樽市。特に明治維新による近代化政策は小樽の発展を加速させました。当時の日本は欧米列強に並ぶべく、国家政策として産業の工業化に力を注いでいました。その為に欠かせないものの一つが石炭。良質の石炭が幌内地区で採取出来ると知った政府は札幌・小樽間の鉄道設置を決定、着工からわずか6ヶ月の明治13年に新橋~横浜、神戸~大阪に続く、日本3番目の路線を完成させました。

このように国家政策を進める上で重要な役割を果たした小樽には歴史的建造物が満載!ざっと挙げるだけでも以下の通りです。

小樽運河、日本銀行旧小樽支店、旧北海道銀行本店、旧三菱銀行小樽支店、旧北海道拓殖銀行小樽支店、旧三井銀行小樽支店、旧小樽倉庫、などなど。

小樽は有名な街ですし、これらの建造物を全て紹介しようとしたら1冊の本が出来上がってしまいそうです。とりあえずこちらは機会があれば紹介する事とし、その代わり歴史的情緒の漂う小樽の街を守り続けて来た一匹の犬を紹介させて頂きます。

旧小樽倉庫(現運河プラザ・市博物館)の前に犬の銅像があります。その像の横に書かれている文章をそのまま記載させて頂きます。

『消防犬 ぶん公

「ぶん公」は火事の焼け跡で泣いていたところを消防のおじさん達に助けられ消防本部で大事に育てられました。「ぶん公」はなんでもおじさんたちのまねをしました。火事があるとすぐに消防自動車に飛び乗り、現場に着くとホースをくわえて筒先係に渡したり、ホースのもつれを直したり、野次馬の整備にも役立ちました。

昭和の初め頃に活躍した「ぶん公」の出動回数は千回以上にもなり、新聞・雑誌やラジオで全国に知られ、子どもたちや多くの市民から愛されておりました。しかし、昭和十三年二月三日、二十四歳で亡くなりました。

成年の今年「ぶん公」の功績をたたえ、防火の大切さ消防への理解を深めるためここに、記念碑を建設いたします。

平成十八年七月二十一日
消防犬ぶん公記念碑建設期成会』

ぶん公は私たち人間に「恩返しの大切さ」「出来る事をまずやってみる事の大切さ」を実践で教えてくれました。

ぶん公が守り続けた小樽の街は今も観光客で賑わっています。

【English WEB】

http://japan-history-travel.net/?p=6391

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