カレンダーを発行していた神社

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三島大社

まずは暦(こよみ)の歴史から。

日本で初めて暦が使用されたのは推古天皇12年(604年)、甲子(きのえね)の年の1月1日だそうです。本当はもう少し前から使用されていたらしいのですが甲子(きのえね)は全てのことの始まりと言われるため、604年と言う事にしたようです。

当時の日本では中国から伝わった中国歴(太陰太陽歴(たいいんたいようれき))を使用しており、これが江戸時代初期まで使われ続けました。しかし、寛平6年(894年)に遣唐使が廃止されて以降、800年以上の長きにわたり暦の改定情報が途絶えてしまっていた為、実際より2日先行してしまう誤差が発生していました。

これを是正する為に江戸幕府が渋川春海(しぶかわはるみ)に命じて作らせ貞享2年(1685年)に完成たのが「貞享暦」(じょうきょうれき)と呼ばれているものです。

800年ぶりの改暦は当時話題となり、井原西鶴は『暦』、近松門左衛門は『賢女手習並新暦』を執筆したそうです。いつの時代も大きな変更や変化は話題になると言う事ですね。

その後、明治6年(1873年)に太陽暦であるグレゴリオ暦へ改暦され現在に至っています。改暦以前のものを旧暦、改暦以降のものを新暦と呼びます。

暦とは、時間の流れを年・月・週・日といった単位に当てはめて数えるように体系付けたもの。構成の方法論です。これを記載したものが暦書・暦表(要するにカレンダー)となります。

年末になると、様々なカレンダーが店頭に並びます。心機一転、次の年はどんなカレンダーにしようか毎年迷ってしまいますよね。現在、カレンダーは誰でも自由に作成配布出来ます。しかし、昭和21年(1946年)に自由化されるまで暦書・暦表の作成配布については古代より統治者(朝廷や幕府)の管轄にあり、許可制・専売制が取られていました。

その許可・専売が許されていたものの一つが三島暦です!

この三島暦は仮名文字の暦としては日本で一番古く、奈良時代から続くと言われている三嶋大社(静岡県三島市)の社家(しゃけ・三嶋大社の神職に従事する人々、またその住まい)である、暦師の河合家で代々発行されて来ました。江戸時代初期には幕府の公式の暦となり、関東・東海地方で広く使われていたそうです。しかし残念な事に暦師として50代続いた河合家は時代の流れに逆らえず平成に入り廃業したと言う事です。

ちなみに最近では三島市内の書店等々で現代版が販売されているようです。

さて三島大社ですが主祭神は大山祇命 (おおやまつみのみこと)、積羽八重事代主神 (つみはやえことしろぬしのかみ)。創建の時期は不明ですが、古くより三島の地に御鎮座し、奈良・平安時代の古書にも記録が残っているそうです。また、源頼朝は伊豆流刑時代から三島大社を崇敬していたそうです。その名残として境内には頼朝が参詣の折に休憩したと伝えられる腰掛石があります。

三島方面に向かわれる方は、カレンダーをみながら計画を立てて三島大社へ参拝に行きましょう!

【English WEB site】
http://japan-history-travel.net/?p=5097

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