こんなところに日本語が!?
場所はリスボン市内の普通の住宅街。
建物の壁に埋め込まれたアズレージョ(ポルトガル・スペインで生産される、典型的な上薬をかけて焼かれたタイル)には
「葡国海軍士官にして作家たりしヴェンセスラウ・ジョゼ・デ・ソーザ・モラエス(一八四五‐一九二九)が生まれ育ちたるはこの家なり。
長き歳月を愛する日本に過ごしたるかれは祖国に思いをはせつつかの地に死せり。 日本国 宇留野清華書」
と書かれています。
モラエスについて調べて見ると
『ヴェンセスラウ・デ・モラエス(軍人、外交官、作家)は、1854年にリスボンで生まれ、マカオ港務副司令官等を務めたのち、1899年に神戸領事として正式に日本に移住し、1929年に没するまで生涯を日本で過ごした。
日本に心酔したモラエスは、1902年より、新聞「ポルト商報」の通信員として原稿執筆を始め、当時の日本事情をポルトガルに紹介する功績を残した。
主な著作には、「日本精神」、「おヨネと小春」、「茶の湯」、「徳島の盆踊り」等があり、これらの作品はポルトガル人の対日理解、親近感の醸成に極めて大きな役割を果たしてきている』
と言う事でした。
ちなみにこの碑文にある宇留野清華(1912-1989)と言う方は高名な書家だそうです。
ヴェンセスラウ・デ・モラエスが日本事情をポルトガルに紹介している1900年代初頭と言えば正に日露戦争の真っただ中。
ポルトガル人のモラエスの目にはその頃の日本がどのように写っていたのか?無性に知りたくなってしまい早速インターネットで本を発注してしまいました(笑)