真紅の社殿は真っ青な空を背景にする事により更に存在感を鮮明なものとしています。
残念ながら私が訪れた時は雲に覆われ目にする事が出来ませんでしたが運が良ければこの神社の境内から青空を背景にした富士山を眺める事が出来ます。
天気が良ければ境内の鏡池には逆さ富士が映ります。少しありがたかったのは雲がなんとなく富士山のように見えた事です(^^;
↓写真を撮りましたが分かりますかね?
富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ:静岡県富士宮市)は富士山を神と見立てる、あるいは何らかの形をもって富士山を信仰や崇拝の対象とする富士信仰の中心地であり全国に約1,300社ある浅間神社の総本社です。
↑二之鳥居
よって富士山とは切っても切れない関わりを持っています。
例えば富士山8合目以上の約385万m2に及ぶ土地も社地として保有しており頂上には奥社が祀られています。
↑富士山(東名高速富士川上りSAにて撮影)
あるいは東門を出た所に広がる湧玉池(わくたまいけ)は毎日約30万t湧き出る富士山の伏流水によって満たされており、富士宮市内を流れる神田川の水源となっています。
↑湧玉池
↑神田川
その水は清く透き通りとても美しい風景を作り出すと共に池から発せられる心地よい空気によって境内全体は日常とかけ離れたファンタジーかSFの世界の雰囲気に包み込まれていると言った感覚にとらわれます。
↑湧玉池
話はかなり脱線しますがSFとはサイエンス・フィクションの頭文字を取ったもので空想や科学を融合させて創り出す架空の物語の事を指します。
SFで思い出したのですが1970年代〜80年代にヒットしたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」もSFです。2013年に現代版が制作され今年(2018年)も1月27日から映画の上映が予定されています。
↑宇宙戦艦ヤマト2199(2013年中部国際空港にて撮影)
ヤマトシリーズとして1980年に公開された劇場版「ヤマトよ永遠に」にサーシャと呼ばれる女性が登場します。
イスカンダル星人(イスカンダルは架空の星です)と地球人の血を引くサーシャはイスカンダル人の特性により大人になるまでの成長が早く1年足らずで成人します。
突然ですが宇宙戦艦ヤマトが登場するのは2199年と言う設定なのですがそこから私たちの生きる現代も飛び越え平安時代初期までをワープしましょう。
この時代に日本最古と言われる物語が誕生しています。
「竹取物語」です。
竹取物語は当時の推定識字率から庶民が作者である事は考えづらく「貴族の実情を知っていた」あるいは「歌の知識があった」などから紀貫之や菅原道真などの説が唱えられていますが今なお証拠が揃わず特定されていません。
そんな竹取物語の主人公は言わずと知れたかぐや姫ですね。
このかぐや姫も竹林で翁が引き取ってから3ヶ月ほどで成人します。もしかしてかぐや姫はイスカンダル人?(^^)
SFの世界と言うのは時代が経過しても同じ思考回路の中で生まれて来るものなのでしょうか?
もしそうならば竹取物語は日本最古のSFとしても良いかもしれませんね。
話がだいぶ横道に逸れてしまいましたが富士山本宮浅間大社に戻しましょう。
吉凶の前兆を「縁起」と言いますが物事の起こりや社寺の由来も「縁起」と言います。
富士山本宮浅間大社には竹取物語とよく似た話が縁起として伝わっているそうです。
富士山本宮浅間大社の主祭神は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)ですがこの木花之佐久夜毘売命が縁起の中でかぐや姫として登場していると言う事です。
木花之佐久夜毘売命もイスカンダル人だったりして(^^)
竹取物語と関わりのある富士山本宮浅間大社ですがそのファンタジー性とは裏腹に古来より荒々しいイメージの強い武士から手厚い保護を受けています。
例えば富士山本宮浅間大社では毎年5月に神事として流鏑馬(やぶさめ)が行われていますがこれは源頼朝が富士の巻狩を行った際、流鏑馬を奉納した事が起源とされているそうです。
↑流鏑馬の像
↑流鏑馬祭が行われる桜馬場
また南北朝時代には足利尊氏によって社領が寄進され、戦国時代に入ると武田信玄が願状を捧げ、信玄の跡を継いだ武田勝頼は造営を進め豊臣秀吉も社領寄進の朱印状を発布しています。更に付け加えるならば現在の本殿は徳川家康の寄進によって造営されたものです。
この本殿は社殿の上にさらに別の社殿が載った二階建ての「浅間造」と呼ばれる全国の浅間神社の中でも4社しか無い独特の建築様式を採用しています。
↑本殿(浅間造)
神社に対する表現としては少し不謹慎かもしれんが何となく戦艦の艦橋のような感じがしませんか?宇宙戦艦ヤマトではないですが今にも宇宙に向かって飛び立ちそうです。
竹取物語が日本最古のSFだとするならば富士山本宮浅間大社は日本最古のSFの世界を演出しているかも知れませんね。
SFは空想の世界ですが過去に空想として描いていた物語の一部は現実となっているものもあります。
空想を膨らませる事が夢や希望を叶える第一歩かも知れません。富士山本宮浅間大社に訪れた際にはそんな事を思いながら参拝しては如何でしょうか?