富士山を身近に感じる事の出来る清水港は冷凍マグロの水揚げ量日本一の漁港です(2015年3月現在)。
その量は何と日本国内全体の約50%を占めます!
凄いですね~
なぜ清水港はマグロとの関わりが深いのでしょうか?
その理由にはツナ缶(マグロ油漬け缶詰)が関係しています。
日本におけるツナ缶は1929年(昭和4年)に静岡県の水産試験場が開発に成功し試験製造を開始しました。その後、水産試験場はツナ缶の製品化を提案し、清水食品(現SSKセールス, SSKプロダクツ)さんが最初に製品化しました。
ところでツナ缶と言えばシーチキンが真っ先に思い浮かびませんでしたか?
ツナ缶の代名詞のようにもなっているシーチキンは静岡市清水区に本社を置くはごろもフーズさんの登録商標です。
シーチキンの名前の由来は、味が鶏肉のささみに似ていることからだそうです。現在はでは色々な種類のチーチキンが販売されています。
一つのものを多様に進化させて行く事が長く親しまれる理由の一つかも知れませんね。
名前の由来についてもう一つ。
はごろもフーズさんの社名は清水港を囲むようにせりだしている三保半島(みほはんとう)に伝わる有名な伝説から来ています。
どんな伝説かもうお気付きですか?
清水港、三保半島と来たら三保の松原です。
そうです、はごろもフーズさんの社名は三保の松原に伝わる羽衣伝説から来ています!
三保の松原は福井県敦賀市の気比の松原、佐賀県唐津市の虹の松原と並び日本三大松原の一つに数えられ、2013年にはユネスコの世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産に登録された景勝地です。
三保の松原の松の枝に掛かっていた美しい羽衣を見つけた漁夫が持ち帰ろうとしたところ持ち主の天女が現れ、返してもらうようお願いします。
漁夫から舞を見せることを返す条件として要望された天女は舞いを舞ってみせます。羽衣を返してもらうと、それをまとい天へと帰って行きました。
と言うのが羽衣伝説のストーリーです。
羽衣が掛けられたとする松が羽衣の松として三保の松原の一角にあります。
↑羽衣の松
現在(2015年3月現在)の松は3代目に当たり、初代の松は1707年(宝永4年)の宝永大噴火の際に海に沈んだと伝えられ、2代目は松枯れで伐採されました。
羽衣の松は御穂神社(みほじんじゃ)のご神体とされ、ここから約500mの松並木の参道「神の道」を潜り抜けると御穂神社へ到着します。
↑神の道
御穂神社のご祭神は三穂津彦命(みほつひめのみこと)と三穂津姫命(みほつひめ)なのですが、2人は夫婦であり、羽車に乗り羽衣の松を目印としてこの地へ降臨したとされています。
2人の乗った羽車が名前の由来となったのでしょうか?羽衣の松のそばには御穂神社の離宮とされる羽車神社(はぐるまじんじゃ)があります。
そしてその鳥居の裏側にはシーチキンの生みの親、はごろもフーズの前身となる後藤缶詰の二代目社長の後藤磯吉氏の名前が刻まれています。はごろもフーズさんが寄進したんでしょうね(^^)
シーチキンは羽車に乗って上昇気流に乗ったのかも知れませんね(^^)
羽衣、羽車、そして日本一高い山である富士山。。。。。三保の松原に行けば上昇運が着くかも???
古くは万葉集に謡われ、歌川広重の「六十余州名所図会」などの浮世絵にも描かれている三保の松原の綺麗な景色を見ながら上昇気流に乗りましょう!