建造物全体から流れ出る威風によって歴史の重みを漂わせる出雲大社(島根県出雲市)。
塀と石垣で囲まれその全容を見ることが出来ないことが神秘性を引き立たせます。
神社建築としては日本最古で最大級のこの神社には縁結びの神様、大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られています。
その本殿の高さは24.2m。神社としては日本一の高さを誇ります。
加えて2000年(平成12年)に実施された地下祭礼準備室の建設に伴う事前調査で巨大な3本柱が発見された事により平安時代には48mの高層神殿だったことが推測されるに至りました。
↑高層神殿推測画
↑発見された3本の柱の大きさを示す写真
↑古代出雲歴史博物館に展示されている3本柱の実物
↑八足門(やつあしもん)と3本柱の場所を示す印
ところで48mとはどれくらいの高さなのでしょうか?
丁度良い目安がありますのでご紹介しておきます。
以前、自動車のCMに登場した「べた踏み坂」正式名・江島大橋(えしまおおはし)の高さがが44.7mですのでほぼ同じ高さに匹敵します。
ちなみに江島大橋は島根県と鳥取県の県境に架けられており、べた踏み坂は島根県側から望むことが出来ます。
島根県はもしかして出雲大社を意識したのかも(^^;
ところで神社建築として日本一の古さ高さを誇る出雲大社には他にも二つ日本一が存在しています。
その一つは神楽殿(かぐらでん)に架けられている長さ13m、重さ5tの注連縄(しめなわ)です。
何とも巨大な注連縄ですね。
しかも大きさ以外にも特徴があります。注連縄は通常、社殿に向かって右から始まり左が終わりになっているそうですが出雲大社の場合はその逆で向かって左から始まり右が終わりになっています。
このような縛りになっているのは出雲大社と宇佐神宮(大分県)だけだそうです。
因みに、出雲大社と宇佐神宮の拝礼は二礼四拍一礼ですから何か特別な関わりがあるのかも知れませんね。
もう一つの日本一は敷地内に掲揚されている国旗の大きさです。
なんと!畳75枚分(縦9m×横13.6m)、重さ49kgだそうです。
以上の様に多くの日本一を保持している出雲大社には10月になると日本各地から神々が集います。
既にご存じと思いますが一般的に10月の異称である神無月(かんなづき)は出雲においては神在月(かみありづき)となります。
そしてこの神在月に関連して出雲地方が発祥の地とされている全国的に有名な食べ物があるのをご存じでしょうか?
それは「ぜんざい」です。
神々の集う旧暦10月に毎年執り行われる神事に「神在祭(かみありさい)」と呼ばれるものがあります。その時に振る舞われたのが「神在(じんざい)餅」。そして「じんざい」が訛って「ぜんざい」となり京都に伝わったと言われているそうです。
食べ物の話が出ましたのでもう一つこの地で有名な食べ物をご紹介しましょう。
長野の「戸隠そば」、岩手の「わんこそば」と並び日本三大そばの一つに数えられている「出雲そば」です。
そば文化の始まりと言われている信州。その信州松本藩から転封となり出雲松江藩の藩主となった松平直政(まつだいらなおまさ)が一緒にそば職人を連れてきたことがその始まりと言われているようです。
「おもてなし」とはお客様に対して心のこもった待遇・歓待・サービスをすることを言います。ここで重要なことは心をこめて行うと言うことでしょう。
出雲大社は歴史の中で培われた多くの日本一と美味しい食べ物を取り揃えて日本各地から集まる神様達を心をこめておもてなしをしているという事ですね(^^)
ビジネス、私用に関わらずお客様に対しては心のこもった「おもてなし」を致しましょう!